本記事では「テスト仕様書」についての解説します。記事後半には弊社で使用しているテスト仕様書のテンプレートがダウンロードできるフォームを設置しているので、ぜひご利用ください。テスト仕様書とはテスト仕様書とは、お客様に提供するシステムが仕様通りに機能しているかをテストするためのドキュメントになります。基本的にはリリース前にテスト仕様書を作成して、プロジェクトに参加している開発者・PM・お客様等にテスト仕様書の項目通りに手元で確認をしてもらいつつ、記載していくようなイメージです。何でテスト仕様書を使うのかテスト仕様書を使用するメリットは大きく3つあります。1. ステークホルダーへの情報共有今から実施しようとしているテストが「システムへの要求」と合致しているかを確認することができます。それを関係者であるステークホルダーと共有することで間違った機能を実装してしまうなどの大幅な手戻りが発生することを防ぐことができます。また、テスト仕様書を作成する段階で項目を調査、ヒアリング、検討を行うことで機能の漏れを防ぐことにもなります。2. テストの効率化プロジェクトは複数人のチームで実施することがほとんどです。テスト仕様書作成時に必要な情報を過不足なく記入することで、誰が行なっても問題なくテストをすることができ、他のプロジェクトメンバーにテストを依頼することが可能となります。プロジェクトに参画していない場合でも、テスト仕様書の項目に沿って実施してもらえれば、誰でもテストできるようになっています。また、機能設計開始後にも、テストケースと開発仕様書を比較する資料として活用できます。そのため仕様変更が発生した場合でもテスト仕様書を参照することで、テストケースを修正することができます。3. リリース後の開発資産として活用リリース後の保守や追加の開発を行うときには、作成したテストケースのどの部分を流用すべきか取捨選択が必要となります。テスト全体をまとめたテスト仕様書があればそれが簡単に行えます。テスト仕様書の使い方マンハッタンコードで使用しているシートの構成は以下のようになります。表紙(実際のUI名)設定表紙シート表紙は基本的に、いつ・どのタイミングでどんな内容を変更したのかを履歴として管理する場所になっています。いつ・どのタイミングでどんな内容を変更したのか は、改定履歴に記載していきます。改定日: 変更した日付改定者: 変更を実施した人改定シート: 変更したシート名変更内容: 何を変更したのか 何から何に変更したのかを旧と新で記載しておくと良いと思います。以下はテスト端末を記載する場所になります。端末数量: テスト端末の数量がわかるようにしますPriorityの選択範囲: 必須となる端末がわかるように記載しています (S: 絶対必須 , A: 必須, B・C必須ではない)(実際のUI名)シート1画面につき作成されるシートになります。どの画面なのかがわかるように、シート名は画面名を入れておくと良いと思います。全体的に見るとこんな感じです。文書名: 「(実際のUI名)テスト仕様書」等、どの画面のテスト仕様書なのかを記載アプリバージョン: アプリのバージョン備考: 何か注意事項等があれば記載項番: 上から1・2・3・・ と項番を記載こうすることで、「〇〇シートの何番目」でテスト項目が簡単に特定することができます。テスト内容: UI部分について、どこを見ればいいのかをわかりやすくするために分類して記載します。大分類: UIパーツ名中分類: 色や配置の記載小分類: 他に特徴があれば記載種別: テストする箇所のアクションを記載します。 例) 表示・遷移・機能(ロジック)など実装する機能の種類を記載前提条件: 前提条件があれば記載 例) ログインしている場合、ログインしていない場合 等確認方法: 何をすることでそのテスト部分が確認できるのかを記載 例) 特定の部分をタップする、スワイプする等期待値: 「こうなっていれば問題ない」という挙動を記載これらを記載することで、仕様がわからない人でも正誤が判断できるようになります。確認結果: iPhone・Android端末で確認した結果を記載 OK: 問題なし N/A:テストできない/やらない NG: バグが発生している等問題あり確認日: テストした日を記載します確認者: テストした人の名前を記載しますNGケース番号: 対象の画面がNGだったからできない場合記載備考: 何か注意事項等があれば記載設定シートOK・N/A・NG を選択式で入力できるように設定しているファイルになります。テスト仕様書テンプレートの無料ダウンロードはこちら!!ご紹介したテスト仕様書のテンプレートはこちらのフォームからダウンロードできます。まとめテスト仕様書は、テストすべき全ての機能を洗い出して、バグが発生していないか・仕様通りに動いているかを確認するために必要となる資料です。また、お客様に手にとって確認してもらって見つかったバグを記載してもらうことで、効率的に開発を進めることができます。上記のテスト仕様書をダウンロードして、開発のお役に立てていただけると嬉しいです。