上手くいっているシステム開発プロジェクトはPMやディレクションが機能し、プロジェクトを推進しています。本記事では、上手くいっているプロジェクトでPMやディレクターが行なっている『プロジェクトの透明性を上げる』についてどんなことが必要なのかを説明します。目次1. プロジェクトの体制と役割を明らかにするまず最初に、プロジェクトの体制と役割の可視化をしましょう。プロジェクトにはどんな会社が関わっていて、その会社から何人参画しているのか。商流はどうなっているのか。予算の出どころはどこなのか。より実態を把握するために、契約形態も把握できていると良いでしょう。もう一つ大事なこととして「役割」も可視化しましょう。プロジェクトに参画している以上、それぞれに求められている役割があるはずです。なぜ必要なのか?予算も時間も限られている中でできる限り、無駄なくプロジェクトを遂行・管理するためです。プロジェクトの人数が10人以上になると、どの会社の誰がどんな役割を担っているのかがわからず、どこに問い合わせをしたらいいのか・誰に依頼をしたらいいのかなどが不明瞭になり、誰も手を付けないままだったりします。そうならないためにも、各会社または各メンバーに「役割」を持たせる必要があります。逆に、整理した結果与えられる役割がない人は契約有無なども再検討すべきことに入ってきます。2. プロジェクト管理ツールを導入し「やること」を可視化するプロジェクトを進める際には、今誰がなんのタスクを抱えているか、そのタスクにどのぐらいの工数を使っているのかを可視化し、管理・振り返りが出来るようにしましょう。プロジェクトを管理する方法は、どんなものでも構いません。テレワークが主流のところであれば、ブラウザ上などで見れるウェブサービスが良いですが、極端に言ってしまえば「やること」をホワイトボードと付箋で貼り出すだけでも大きな違いが得られます。なぜ必要なのか?プロジェクトでは今何をしているのか、タスクの全量はどれくらいなのか、どんなものが必要でどこまで出来ているか。これが分からなければ、プロジェクトを管理することはできません。プロジェクト管理ができないと、期限を大きく超過してしまったり、非効率で効果のない取り組みをし続けているのを検知出来なかったりします。この状態のチームは、チームとしてまとまることが出来ておらず、一人で仕事をしているのとほぼ変わりがありません。プロジェクトの進みは大きく鈍化してしまうでしょう。プロジェクトにアサインされている作業者も、自分は何をすればいいのか不明瞭で、何をどれだけやればゴールに到達するのか分からないので不安を感じる場合もあります。そうならないよう、プロジェクトのやることの可視化は是非取り入れるべき項目です。3. 「やること」と「やらないこと」を決める例えば、お客様からオーダーのあったスマホアプリのプロトタイプをデモンストレーションしたとします。欲しいものが手元で動くのを見たら、大抵のお客様は「もっとこういう機能がほしい」と言います。他にも、流行りやジャストアイデアレベルのものに対しても同じく「欲しい」という言葉を使います。プロジェクトには予算と期限がありますので、必ず『お金』と『時間軸』をもとに、お客様といつやるのかの話を進めていきましょう。なぜ必要なのか?お客様は開発についてしっかり理解しているのではなく、どちらかといえば自分たちで出来ない・分からないことを解決するために専門家である開発会社と手を結んでいます。その為、お客様自身では「どこまでなら出来て、どこまでは出来ないのか」を判断することは難しいでしょう。また、当然ながらお客様は自分たちのサービスをより良いものにしたいと考えられているので、そのために取り入れたいアイディアや考えを多く持っています。これらすべてにただ「できます」と答えるとゴールポストが動いてしまい、いつまで経ってもサービスインができません。エンジニアやデザイナーとしてはお客様のやりたいをどう実現するかを設計し作るのが仕事でもあります。ですので、できるかできないかの土俵で会話するのではなくPMとしては予算で会話をしていく方をおすすめします。まとめこうして文章や言葉にしてしまえば当たり前のように思えますが、これが出来ていないためプロジェクトが上手く進まないといった事例はそれこそ山のようにあります。是非この記事で知ったことをご自身の携わっているプロジェクトにも使ってみてください。