アプリ開発では、リリース前のテスト対象をどう定義するかが品質保証に直結します。「何をテストすれば良いのか分からない」「テスト漏れが発生した」という課題は、どのチームでも一度は経験するものです。弊社では、developブランチにマージされたPRをリストアップし、テスト対象を明確化する仕組みを導入しています。この記事では、そのフローとメリットを紹介します。目次なぜテスト対象の明確化が必要なのかアプリのバージョンごとにどの機能が追加・修正されたかを追えていないと、テスト計画に漏れが生じるレビュー段階で確認していても、リリース前に全体像を把握できなければ品質保証に穴があくGitHubのPull Request(PR)を一覧化することで、バージョン管理とQAテスト計画をつなげられる👉 そのため、「developブランチにマージされたPRをベースにリストを作成する」ことが有効です。運用フロー概要1. 開発者は機能追加・修正ごとにPRを作成2. レビューを経てdevelopブランチにマージ3. リリース対象バージョンに含まれるPRをリストアップ4. QA担当者がPR一覧をもとにテスト観点を整理し、テスト対象を明確化これにより、「どのPRが今回のリリースに含まれているか」=「何をテストすべきか」 が明確になります。リストアップのフォーマット例実際には、以下のような表形式で管理しています。日付バージョン(ビルド番号まで)評価項目(QA担当コメント)BranchPR URLiOSリリース日Androidリリース日2025/08/20v2.3.5 (build 235)新規ログイン導線追加 / 動作確認feature/login-update#12342025/08/222025/08/232025/08/20v2.3.5 (build 235)バグ修正: 通知ON/OFF設定保存fix/notification-toggle#12352025/08/222025/08/23👉 このように PR一覧表を作成することで、リリースノートの元データにも流用可能 です。この仕組みのメリット1. テスト対象の明確化developブランチにマージされたPR一覧をもとにするため、テスト対象が自動的に定義されるQAテスト計画がスムーズに立てられる2. 品質保証の強化テスト漏れ防止バージョン単位で「どの変更が含まれているか」を正確に追跡できる3. PR管理とリリース計画の一体化GitHub PR管理とQAテスト計画を直結できるPR URLを残すことで、後から変更内容をすぐに参照可能4. リリース後のトレーサビリティ「どのリリースでどの変更が入ったか」をPRレベルで追跡できる不具合が発生した場合も、該当PRから影響範囲を特定可能実際の活用シーンQA担当者が「評価項目」列を埋めることで、テスト観点を体系化iOSとAndroidのリリース日を記録することで、プラットフォームごとの差異管理が可能リリースノート作成時に、このPR一覧をそのまま活用今後の展望(自動化)現在はスプレッドシートで管理していますが、GitHub Actionsを使ったPR一覧自動生成も視野に入れています。これにより、手動でのリストアップ作業を省略し、さらに効率的なテスト対象明確化が可能になります。まとめdevelopブランチにマージされたPRをリストアップすることで、テスト対象を明確化できるこれにより、QAテスト計画の効率化・品質保証の強化・リリース後のトレーサビリティが実現できるシンプルながら効果が大きく、複数メンバー・複数プラットフォームでのアプリ開発に特に有効👉 アプリ開発における品質保証を強化したいなら、まずは「PR一覧表によるテスト対象明確化」から始めてみてください。